「木灯館」は、深い森の中、急峻な山のエネルギーをたくさん吸収して育った「十津川杉」を利用して建築しました。
木目の細かさ美しさは強度の高さを表し、木の香りがまろやかな館内の空気に溶け込み、
風通しや差し込む光にも「居ながらにして森を感じる」造りとなっています。
十津川の森の懐の深さ、杉の暖かさ、やさしさを「十津川の森 木灯館」を通じて体感してください。
木灯館は、快適な住まいを提供するため「土壁」を採用しています。土壁は竹を組んだ竹小舞に、ねり土を塗り固めた、吸湿性や断熱性に優れる伝統的な建築方法です。木灯館ではこの土壁の特性を最大限に引き出すために、断熱材や構造体面材として、透湿性能の高い天然素材を外側に足し合わせていく事で、高断熱ながら水蒸気が抜ける壁構成を実現、しかも隙間風を完全にシャットアウトしています。
耐力面材ボード・
ケナフボード
成長が早く、CO2吸収能力が高いケナフが原料の耐力面材ボード。湿気を通し、地震に強い耐力壁をつくります。
木質繊維断熱材
高い断熱効果を持ちながら、蓄熱性に優れているため、夏季の遮熱にも威力を発揮する環境配慮型断熱材。
発泡リサイクルガラス
白蟻の食害に強く、耐久性にすぐれながら、断熱性も持ち合わせています。
十津川産材の杉合板
建物の剛性を上げる必需品。地元十津川の杉を使用し作りました。
ガルバリウム鋼板屋根
アルミと亜鉛で鉄を守ることにより生まれた耐久性に優れた鋼板屋根。耐久性、加工性、そして見た目も美しいのが特徴です。
漆喰仕上げ
湿気を吸収し調節するので季節の変化に耐え、カビがつきにくいという性質があります。
杉のフローリング
柔らかな杉の質感や香りが心地よく、優しい踏み心地で、肌触りが暖かく感じます。
土間空間
土とセメントで出来ており、土足で使う場所で、玄関や部屋の一部としても使え、家の外と中をつなぐ中間的な空間をつくります。
外付けロールスクリーン
西日を遮断し、視界は通す外付けロールスクリーン。日本に言う“よしず”の役割を果たします。耐候性のあるクロスが電動で自在に上下できます。
日本古来の竹小舞による土壁の機能と魅力を最大限に生かし、パッシブハウスの設計アプローチを用いて夏と冬のバランスを追求した省エネ建築デザイン。冬の日射を最大限に取り込み、夏の日差しを効率よく遮蔽できるような屋根形状と、高性能な木製サッシの採用により、省エネルギーで驚異的な快適性を達成しています。
十津川の高性能サッシ
杉の優れた断熱性能とアルミの優れた耐候性の助け合いによって誕生した、日本の降水量と外気温に最も適した木製サッシ。
十津川杉の外壁仕上げ
十津川の豊富な杉資源を利用した外壁仕上げ。無塗装で、環境負荷が少ない上、美観上にも優れています。
蓄熱式薪ストーブ
再生可能なエネルギーを使って、限りなくカーボンニュートラルに。建物が断熱性と気密性に優れているため、蓄熱式薪ストーブ1台で、家全体を暖めます。
「木灯館」は、電気のない時代に使っていた「小灯(ことぼし)=手のひらに乗る小さな灯り」のように木の灯り(木灯)を点し、新しい発想で十津川村の森林再生に向かう情報の受信・発信基地となるよう思いを込めて付けられました。
村に甚大な被害をもたらした、平成23年9月の紀伊半島大水害を教訓に、しっかりと根を張る災害にも強い山づくりを進め、二酸化炭素を吸収する森林育成と50年〜60年生の間伐材等の木材利活用、省エネ効果の高い、身体に負荷の少ない木材の家づくりを推進します。また、化石燃料のみに頼らず、自然素材を有効に利活用した「人にも地球にもやさしい熱源の利用」についても研究・提案していきます。